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春の特別展 デザイナー・メーカー紹介

2025年03月21日(金)

2025年春の特別展「ラヂオの詩(うた)~谷川俊太郎コレクション~京都工芸繊維大学 美術工芸資料館 所蔵」の展示作品に関する情報を掲載しています。

《デザイナー》

◎ Van DOREN, Harold ハロルド・ヴァン・ドーレン (アメリカ、1895-1957)
1930年代にアメリカの工業デザイナーとして活動を開始。1927年から1930年までミネアポリス美術館で副館長を務めた後、オハイオ州トレドでジョン・ゴードン・ライドアウトと共にデザイン・コンサルタント会社を設立。初期の共同作品の一つが、1933年にデザインされたプラスチック製ケースの「エア・キング」ラジオ(No.1)であり、当時の高層ビルのデザインを反映していた。同年、ヴァン・ドーレンとライドアウトは「ハロルド・ヴァン・ドーレン・アンド・アソシエイツ」を立ち上げ、流線型のペダルカー、三輪車、スクーターなどの子供用遊具の他、航空会社・工作機械メーカーのデザインを手がけた。

◎ TEAGUE, Walter Dorwin Sr. ウォルター・ドーウィン・ティーグ (アメリカ、1883-1960)
アメリカ合衆国の工業デザイナー。ジェット旅客機(ボーイング707-747)や、幻の名車と呼ばれるマーモンV16のデザインで知られる。1930年頃からコダックのデザイン・コンサルタントとなり、多くのカメラデザインを手がけた。青色が目を惹くミラーラジオ(No.26)は同氏がデザインしたもので、「ブルーバード」と呼ばれる。シンプルで高級感のあるミラーラジオは、当時一流ホテルや高級ナイトクラブのインテリアとして重宝された。

◎ イサム・ノグチ(アメリカ、1904-1988)
アメリカ人の彫刻家、デザイナー。父は詩人の野口米次郎、母はアメリカ人作家のレオニー・ギルモア。パリでの修行期間(1927-28年)には、ブランクーシの助手として数か月間働き、同氏の影響を受けて具象から抽象へと転向した。西洋のモダニズムと東洋の伝統を融合した創作スタイルを特徴とし、彫刻家、造園家、作庭家、舞台芸術家、インテリアデザイナーとして多方面で活躍。岐阜提灯との出会いから誕生した「AKARI」シリーズは現在に至るまで人気を博している。

◎ EAMES, Charles チャールズ・イームズ(アメリカ、1907-1978)
著名なアメリカ人デザイナー、映画製作者、建築家。妻であるレイ・カイザーとともに制作活動を行う。木製家具が主流だった時代に、コストや生産量、デザインの自由度の高さという観点から、絶え間なく実験を繰り返し、成形合板やガラス強化プラスチックなど新素材を用いた家具制作を行うことにより、20世紀のプロダクトデザイン界において大きな足跡を残した。1946年にMoMAにて開催された展覧会「New Furniture Designed by Charles Eames(チャールズ・イームズがデザインした新しい家具)」は大成功を収め、名声を確立した。代表的な作品に、LCW(ラウンジチェアウッド)(1946年)、DARアームチェア(1948年)など。

メーカー

◎ ZENITH ゼニス
1918年、アメリカのシカゴで創業したラジオメーカーで、アメリカでは、RCA、GE と並ぶメーカー。1930年代以降、当時ようやく生産がはじまったベークライト(人工的に合成されたプラスチック)成形によるラジオ製造を積極的に進め、デザイン性に富む個性的なラジオを数多く世に出した。

◎ SILVERTONE シルバートーン1893年シカゴに設立された時計メーカーSears, Roebuck and Company(シアーズ・ローバック) は、やがてカタログ販売で事業を成功させ、さらに 1925年以降郊外型の大型ショッピングセンターを展開した。この会社が1920年代の初頭から自社ブランドとしてつくったラジオが SIVERTONE である。1930年代から第二次世界大戦にかけて、ラジオの需要が高まる中、多くのラジオを生み出した。

◎ MOTOROLA モトローラ1928年、アメリカのシカゴで設立された会社で、1930年には世界で最初のカーラジオを開発・生産した。「モトローラ」は当初ブランド名だった。モトローラとは、モーター(自動車)とオーラ(音)に由来する。1940年代から本格的にラジオ生産を行い、1950年代にはラジオ部門が生産の中心だった。やがて、トランジスタ、テレビ、携帯電話へと展開した。

◎ BRAUN ブラウン
1921年、ドイツのフランクフルトで設立された会社で、当初はラジオ産業向けの部品製造を行っていたが、プラスチック成形の技術を早くに導入し、やがてラジオそのものの生産へと移行した。ドイツにおけるデザイン活動であるバウハウス運動に影響を受けたスタイルが特徴で、第二次大戦後は、ラジオ、レコードプレーヤーに加えて、電気シェーバーが生産の中心となる。創業者を継いだブラウン兄弟がラジオについて語った「近代的で明確でシンプルな形、美しい素材、明るい色、知的な構造、最高の技術性能」が、ブラウン製品の特徴を端的に物語る。代表的デザイナーに、1955年より同社で活躍したディーター・ラムスがいる。

◎ EMERSON エマーソン
1915年にVictor Hugo Emersonが設立した会社で、設立当時はレコードや蓄音機が生産の中心だった。1920年代には生産の中心をラジオに移行し、24年には社名を Emerson Phonograph Company に変更した。特に小型ラジオで知られ、1950年代にはデザイン性に富んだ高級感のあるラジオを多く製作したが、やがてテレビの生産が中心になった。

◎ FADA ファーダ
ニューヨーク生まれのFrank Angelo D’ Andreaが1923年に設立したラジオメーカーを母体とする。社名は同氏の頭文字に由来。事業開始後まもなく労働争議で会社は閉鎖されるが、1940年代より新たなラジオ会社を設立し、金属とプラスチックをたくみに併用した豊富な色づかいのラジオを生産し一世を風靡した。